不可となった科目は何ですか?また,その敗因はズバリ何だったのでしょうか?

私は民事裁判で不可をもらってしまいました。敗因は一言で言うと,問題文の読み間違いです。試験中緊張をしていて,問題文を丁寧に読み込めなかったのが悔やまれます(泣)。
連日長時間の起案による疲労困憊のうえ,緊張感漂う中で起案するのは,普段の実力が出なかったり,また,普段なら考えもしない構成で起案しがちになります(「神が降りてくる」と例えられることがあります)。
教官が言うには,「採点中,ベルトコンベアー的に流れてくる答案の中で,致命的な欠陥があると判断された答案が不合格答案となる」そうです。

二回試験は楽勝

本番当日は,相当緊張しますよね!!
私も民事裁判で不合格になりました。
修習時代にも民裁に苦手意識はあったのですが,特に問題になるほど成績が悪くもなかったので,まぁ大丈夫だろうと思っていました。私はA班だったので,二回試験直前に選択型修習をしていたのですが,直前までいろいろな実地体験をしていて,試験直前の11月でも勉強はおろそかになっていましたね。
最大の敗因は,事実認定の問題文を素直に読むことができず,せっかくの誘導も,「ひっかけではないか?」と思えて,ウラを読もうとして違う方向に行ってしまったことだと思います。
二回試験の独特の空気もあると思いますが,何より勉強不足が不安を増幅させ,緊張しすぎてしまったように思います。
修習中には,教官から,「紐は早めに結ぶように」,「当日に閃いてはいけない」と口を酸っぱくするほど言われていました。そのときは,「まさか,自分はそんなことはしないだろう」と思っていましたが,民裁は「閃き」に迷走し,また,紐綴じについてもギリギリセーフの教科がありました。

私の不合格科目は刑事裁判でした。
敗因は証拠構造,直接証拠と間接証拠の区別という基本ができていなかったこと。刑裁では推認過程に飛躍がないようにすることが最も大切なのに,それがことごとくできていませんでした。致命的です。
また,証明予定事実記載書や予定主張記載書面に記載されている間接事実などの意味づけと,反対仮説の検討による推認力を問う問題ができていなかったことも敗因ですね。
刑裁起案の成績は悪かったのですが,そうはいっても本番では,ギリギリ可で合格できるだろうと,根拠のない考えをして,二回試験に真剣に取り組んでいませんでした。起案で成績の悪かった科目は,なぜ悪い成績がついたのか,しっかりと分析しておくべきでした。

しくじったからこそ分かる,効果的な勉強方法とは何でしょうか??

修習中の起案や過去問をたくさん検討しておくことが効果的だと思います。
私は起案の成績が悪かったのに,出来の悪い起案の書き直しや過去問の起案を全くやっていませんでした。毎回フルで起案するのは大変ですが,問題文を検討し,回答の構成を作るだけでしたら,そこまで負担ではありませんので,友人と一緒に,毎週末記録を読む機会を作りました。おかげで起案の記録を読み慣れることができました。

やはりアウトプットの練習をすると実力がつきますよね!
私は,二回目の二回試験の前に初めて,二回試験落ちの人たちで集まって過去問を検討したのですが,同じ境遇の仲間と集まって答案を書き,気兼ねなく意見を言い合い,質問し合うことで,「落ちない答案」のイメージができていきました。
二回試験で大事なのは,A答案を目指すことではなく,合格点の取れる答案を書くことだと言われますから,数人で標準化できれば,かなり安心して試験に臨めると思います。

私も数人でゼミを行うことが重要だと思っています。
修習生がもっている情報の精度は不確かではありますが,情報が少ないと一人取り残される危険があります。一人取り残されると,他の修習生の起案と比べ,非常に目立つ可能性があります。出題趣旨に合致していれば問題ありませんが,合致していなければ不合格のリスクが高まりますよね。

勉強会の副次的効果ですが,勉強仲間と愚痴を言い合ったり,たわいもない話をして笑ったりできたので,よい精神安定剤になりました。

科目を問わず,勉強会の効果は大きいようですね。他にはありますか?

白表紙や「問題研究 要件事実」,「紛争類型別の要件事実」,大島眞一「完全講義 民事裁判実務の基礎」,「ステップアップ民事事実認定」などを読むことをオススメしますよ。

そうですね。私はある先生に,「できる間に実体法の復習をしておく事が大事」とアドバイスをいただいたことがあります。

私は,白表紙の内容を中心に起案講評を加味して一元的に集約すべきと思います。もし他のクラスの講評ノートが入手できるなら,その情報も一元的に集約すべきです。市販参考書を手広くするより,白表紙の理解を深める方が,二回試験対策は効果的です。
また,周りがよくやるのでA答案の検討は皆さんもされると思いますが,私としては,A答案よりもB答案の検討をする方が効果的だと思います。理由は,任官や任検を目標とするなら別ですが,弁護士になる方にはA答案は必要がないからです。「不合格とならない答案」を書ければ十分です!なかなか届かないA答案を参考に,「すごいな」とか「こんな答案が書けないとA答案にはならないのだな」とか思うよりも,現実的に落ちない答案を知り,基本的理解を深めておくことこそが,不合格答案にならない秘訣です
先輩からは,C答案を集めて,なぜその答案がCの成績になったのかを分析することで,落ちる答案を知り,逆説的に,落ちない答案を知ることが重要だとアドバイスをもらっていました。ただ,C答案を集めるのはなかなか大変だったので,私はB答案を検討していたのですが,先輩のアドバイスと方向性は一緒だったと思っています。
弁護・検察・裁判と視点は変わりますが,事案検討の考え方は,基本的に同じです。ただ,二回試験は,「方向性を間違えると不合格になる」という,恐ろしい試験なだけです。

実行すべき対策イメージがついてきました!勉強をするには,その基盤となる生活環境も大事かと思いますが,その辺はいかがでしたか?

私は幸いアディーレから声をかけていただいて,2回目の二回試験の3ヵ月前まで事務員として働かせてもらい収入を得ていました。生活はそこまで余裕はありませんでしたが,何とかなりました!

私もアディーレから内定をいただいていまして,リベンジの1年間,そこで事務員として働かせてもらっていました。業務内容は,弁護士補助業務(パラリーガル)と事務作業でした。私を含め,他事務所で内定をもらっていた多くの二回試験不合格者が,自分の内定先で事務員として勤務していました。
私の場合は,勤務条件が,午前10時から午後7時の勤務で,1時間休憩,土日祝休みで,社会保険も完備でした。しかし,他の法律事務所で勤務していた二回試験リベンジ生は,8時間以上の勤務を強いられたり,休みが確保できなかったり,社会保険も完備されていなかったようです。私は,他のリベンジ生に比べ,圧倒的に有利な環境で二回試験リベンジまでの修行を積ませてもらったと思います。

働きながら勉強することは大変かと思いますが,どちらも両立できる環境は可能ということですね。最後に,二回試験落ちを経験された先生方から,これから二回試験を受験される方々にアドバイスをお願いします!

69期二回試験不合格者の大多数は民弁でした。そして民法94条に触れていたか否かで合否が分かれました。司法試験に合格した方なら,民法94条については当然理解しているはずなのに、その理解を前提とした構成にしていない。ということから、基礎的な知識が身に付いていないという判断をされたのだと思います。
修習生は皆さん,司法試験に合格していますから,当たり前に法律家としての資質はありますが,二回試験は「不合格にならない答案」を目指せば足りるという性質を理解していないと,不合格リスクが高まります!

閃いた

二回試験に落ちる人の多くは問題の読み間違い,読み落としだと聞いたことがあります。あとは,周りの皆さんが当たり前に書く方向性とは全く違う方向に行ってしまうこと…。両方とも,普段とは違った緊張感によるものかもしれません。本番で普段以上の“神”答案が書けそうな気がしたら,一度深呼吸してみてください。危ない「閃き」である可能性の方が高いかもしれません。
「問題文をよく読んで,聞かれていることを素直に書くこと」を心がけて臨めば,二回試験はそれほど恐ろしいものではないように思います。
私は合格した年の二回試験では,当日の心構えとして,「とにかく素直に,素直に…」という言葉を,心の中で唱えながら試験に臨みました。

二回試験に不合格だった方々の中には,将来への不安で苦しんでいる方が少なくないと思います。私もその頃は同じ思いでした。特に私は,旧司法試験時代から弁護士を目指して,大学卒業後も長年アルバイトをしながら勉強を続けていたのでなおさらでしたね。
月並みですが,試練を乗り越えるとそこで得られるものは大きく,その先の人生,弁護士生活に必ず役に立ちますよ。ぜひ頑張ってください!

修習生の皆さまにとって,このクロストークが少しでもお役に立てば幸いです。
二回試験対策講座も,ぜひご覧ください。

二回試験対策講座